最近よく耳にする「eSIM」。
携帯キャリアやメディアでよく取り上げられるので、認知度は高そうな感じがします。
ですが、実際利用している人ってどれくらいいるのでしょうか?
SIMカードと何が違うの?
eSIMって何が便利なの?
そう思われている方のために、今回は「SIM」と「eSIM」の違い、どちらを選ぶべきか解説します。
「SIM」と「eSIM」とは?
まず、携帯には「SIM」と「eSIM」2つのSIMが存在します。
携帯電話会社を変更する場合など、どちらを利用するか考える機会が今後は増えてくるかもしれません。それぞれの特徴をしっかり理解した上で選ぶときの参考にしてみましょう。
SIMカードとは?
まず、「SIMカード」は、みなさんご存知でしょうか?
スマートフォンや携帯電話には必ず挿入されていて、この小さいSIMカードには契約者の情報や電話番号の情報などが書き込まれています。
このSIMカードをスマホに挿入すると、自分で契約しているキャリアの電波を使うことが可能になり、電話やモバイル回線を使ったデータ通信なども出来るようになります。
またSIMカードは、ほとんどのスマートフォンに対応しています。
携帯ショップでは、店員さんがSIMカードもセットしてくれますので、自分で挿したことがないという方も多いかもしれませんがみなさんのスマートフォンにも必ず入っています。
実際には、まずSIMピンを使い、SIMトレーを取り出します。
そして、このトレーの上にSIMカードを置き、
スマホ本体に挿入して完了です。
筆者が某キャリアショップで働いていた時によく聞かれた質問がこちらです。
写真やアプリ、メールのデータもこのSIMカードに入ってるんじゃないの?
SIMカードには契約者の情報が書き込まれているだけで、写真などのデータを保存してあるものではありません!
おそらくSDカードと勘違いされているのだと思いますが、SIMカードは全く別のものです。
eSIMとは?
eSIMも契約者の情報や電話番号に関するデータが書き込まれている点は、SIMカードと同じです。
ただ、SIMカードと違い、もうすでにスマホ本体に埋め込まれているSIMなので、取り出したりすることは出来ません。
eSIM=本体一体型のSIMカード
SIMカードのように抜き差しは出来ず、
オンライン上で契約情報を書き換えることが可能なSIM。
例えば、今までドコモからauに乗り換える場合は、乗り換え手続き完了後にSIMカードの差し替えを行う必要がありましたが、eSIMはオンライン上で契約情報を書き換えることが出来ますので、その手間がありません。
ショップに行く必要もないですし、オンラインで手続きをすれば申し込み完了後利用開始まではどの携帯電話会社も約1時間ほどで使えるようになります。(※審査内容によっては、1時間以上かかる可能性もあります。)
「eSIM」のメリット、デメリット
「eSIM」のメリット
通信キャリアを手軽に乗り換えやすい
- 携帯電話会社を変える、いわゆる「乗り換え」の場合、eSIMならば手続きをオンライン上で行えるため、開通までがスムーズで速く、すぐに携帯電話会社を変えて使えるようになります。
- 一方SIMカードは、オンライン上で申し込みをしてからSIMカードが手元に届くまで待たなければならず、開通までに数日かかることがあります。
また大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンクなど)で今まで契約していた方にとっては、eSIMのプランを出している事業者が聞きなれない通信事業者で不安になる方もいると思いますが、大手キャリアがeSIM対応プランを出してきたのは最近のことです。
eSIMでお得になるプランを出している格安SIMの会社は多数ありますので、下記の記事をご覧下さい。
1台のスマホで複数回線の利用が可能
eSIMに対応した機種の多くはSIMカードにも対応しています。
お手持ちのスマホがSIMカード、eSIMどちらにも対応している場合、eSIMとSIMカードを別々の携帯電話会社にして、複数回線を利用することも可能です。
例えば…
- 1回線目は通話料金が安い携帯電話会社のSIMカードで契約し、通話料金を節約します。
- 2回線目はデータ通信が安いデータ専用プランのeSIMで契約し、全体の通信費の節約をします。
こんな使い方も可能になります!
「eSIM」のデメリット
対応機種や利用できる料金プランが少ない
eSIMは近年対応機種が増えつつありますが、まだSIMカードのみに対応した機種のほうが主流です。
機種変更の場合は、再発行が必要になる
eSIMは、SIMカードと比べて端末を変更する手続きが若干複雑です。
SIMカードの場合は、SIMカードを入れ替えて、APNの設定を変更する程度で済みますが、eSIMの場合はSIMの再発行手続きが必要です。
またeSIM再発行には手数料がかかる通信会社もあります。
各キャリアで手続き方法が多少異なりますので、再発行が必要になった場合は、
「eSIM 再発行 〇〇」
と検索すると、利用しているキャリアの再発行ページがすぐに見つかりますので、そちらでお手続き可能です。
(※〇〇には携帯電話会社の名前を入力。例えばドコモなど)
eSIM対応機種一覧
eSIMに興味を持っても、お使いのスマートフォンがeSIMに対応していなければ利用することが出来ません。
多くの通信事業者は2021年9月からeSIMに対応を始めたばかりです。
SIMカードに比べると歴史は浅いため、対応機種が限られる点を認識しておきましょう。
iPhoneのeSIM対応機種
機種 | eSIM対応 |
---|---|
iPhone 15 Pro | |
iPhone 15 | |
iPhone 14 Plus | |
iPhone 14 | |
iPhone 13 Pro Max | |
iPhone 13 Pro | |
iPhone 13 | |
iPhone 13 mini | |
iPhone 12 Pro Max | |
iPhone 12 Pro | |
iPhone 12 | |
iPhone 12 mini | |
iPhone SE(第2世代) | |
iPhone 11 Pro Max | |
iPhone 11 Pro | |
iPhone 11 | |
iPhone XS Max | |
iPhone XS | |
iPhone XR | |
iPhone X | |
iPhone 8シリーズ | |
iPhone 7シリーズ | |
iPhone SE(第1世代) | |
iPhone 6シリーズ |
iPhoneは、iPhone XR以降の機種は全てeSIM対応になっています。
eSIM対応のiPhoneをお使いの場合でも、必要に応じてiOSのバージョンアップが必要になります。
現在のiOSバージョンは、iPhoneの「設定」>「一般」>「情報」>「システムバージョン」で確認可能です。
iPhoneのiOSは、セキュリティの向上やバグの修正などで定期的に更新されていますので、eSIM利用に関わらず、常に最新バージョンへ更新しておきましょう!
AndroidのeSIM対応機種
Androidのスマートフォンは数が多いので、一覧での掲載は今回致しませんがeSIMに対応しているかどうか確認する方法をお伝えします。
各メーカーやキャリアの公式ページ>機種選択>「技術仕様」や「その他仕様」
などの項目に利用可能なSIMの種類が掲載されています。
「eSIM」と記載があればその機種はeSIMに対応していますので、ご確認下さい。
eSIMとSIMカードの違い
eSIMとSIMカードの違いをまとめると、以下の通りです。
eSIM | SIMカード | |
---|---|---|
特徴 | 本体に内蔵されたSIMを使う (SIMの差し替えが不要) | スマホにSIMカードを挿入して使う |
オンラインでの申し込みから 利用開始までの期間 | 最短1時間以内に 利用出来る可能性が高い | 郵送のために 日数がかかる |
対応機種 | SIMカードと比較して 対応機種がまだまだ少ない | ほとんどのスマホが対応 |
SIMカードとeSIM、それぞれどのようなものかご理解いただけましたでしょうか?
理解は出来たけど、結局どっちを選んだ方がいいの?
そう思われた方も多いはずですので、次にeSIMを使うのにおすすめな人をお伝えしていきます。
「SIM」と「eSIM」どっちがいい?
結論、特に必要に迫られていない方は「SIMカード」のままで問題はありません。
しかし、今後eSIMの利用は加速していくことが予想されますので、スマホを便利にお得に活用したい、店舗に行く手間を省きたい、という方は、eSIMの利用をおすすめします。
eSIMは何といっても「すぐに使える」のが最大のメリットなので、時間をかけずに何でもやりたい方におすすめします。
そんなに急いでないし、スマホのことよくわかんない!
そういった方は、SIMカードのままで大丈夫ですよ。
「SIM」と「eSIM」どっちが海外で便利?
eSIMの方が便利です
海外旅行に行く際に1番悩むのが、インターネットの環境問題ではないでしょうか。
現地で無料のWi-Fiを見つけるのは大変ですし、利用するにはWi-Fiの登録しないといけないですし、とても面倒です。
筆者は、うまく繋がらなくて、結局使えなかったという経験もあります…
それに加え、無料のWi-Fiで怖いのが、安全性大丈夫…?ということです。
安全性のないWi-Fi回線は、モバイルデータ通信を利用するよりもハッキングのリスクが高まりますのでご注意ください。
eSIMの海外利用メリット
そこで、「eSIM」はなぜ、海外で便利なのか?
まずはメリットからお伝えします。
- 購入から使用開始まで全てオンラインで完結
- SIMの入れ替え不要/なくす心配がなくなる
- スマホ以外の持ち物がいらない
- 複数のSIMをインストール可能
購入から使用開始まで全てオンラインで完結
現地についてから、空港やショップでSIMカードを手配するのは手間ですし、時間もかかります。
eSIMなら日本で全ての手続きを終わらせて、現地についたらスマホの設定を変更するだけで利用出来ます。
旅行など限られた時間の中で、時間が短縮出来るのは、かなりのメリットですよね!
SIMの入れ替え不要/なくす心配がなくなる
そもそもeSIMはスマホと一体型のSIMなので、SIMカードの抜き差しは出来ません。
筆者が某キャリアショップで働いていた時も、
海外旅行でSIMカード紛失してしまって…
と、悲しそうな顔でSIMカード再発行のお手続きをされるお客様を何人も見てきました。
日本のSIMカードと現地のSIMカードを入れ替えて、そのまま紛失されてしまうケースはよくあります。
せっかく楽しく過ごせるはずの旅行が、辛い思い出になってしまっては悲しすぎます。
eSIMでしたら、SIMカード一体型なので、SIMカードを紛失する心配はないですね。
スマホ以外の持ち物がいらない
eSIMが誕生する以前は、海外に行く場合主流だったのはWi-Fiルーターのレンタルでした。
もちろん使い慣れている方や、お友達と一緒に使う方などは、Wi-Fiルーターの方がお得に利用出来る場合もあります。
ただWi-Fiルーターの場合は、ルーター本体を持ち運んだり、ルーターの充電器も別途必要になります。
地味に重いですし、かさばりますよね…
eSIMなら普段使っているスマホさえあれば、インターネットが使用出来ますので身軽に旅行したい方にはぴったりです!
複数のSIMをインストール可能
eSIMは複数インストールが可能です。
国をまたいでの旅行の場合、eSIMが対応している国であれば自動的に切り替わり利用出来ますが、事前にその国でお得なeSIMをダウンロードしておけば、その国でベストなデータ通信の料金で利用することが可能です!
ちなみにiPhoneの場合は同時に8つのeSIMをインストール出来ます!
たとえば、香港→台湾の2か国を旅行するとします。
その場合、香港と台湾それぞれの国で最もお得なeSIMを事前にインストールしておき、目的地についたら切り替えて下さい。
ほぼ現地価格のデータプランで利用することも可能なので、旅行の代金の節約になります。
eSIMの海外利用デメリット
- 利用地域によっては、SIMカードやWiFiルーターレンタルの方が安く済む場合もある
- データ通信専用プランが多い
利用地域によっては、SIMカードやWiFiルーターレンタルの方が安く済む場合もある
プリペイドSIMはプランが豊富で、1日3日7日など日数で選ぶプランや、5GBまでとデータ使用量で選ぶプランなど様々あります。
格安で販売している会社もあるので、eSIMより安く済む可能性もあると思います。
ですが、旅行者向けeSIMのサービスも増えてきているので、必ず比較した方が良いでしょう!
WiFiルーターレンタルも同様です。
プランによっては、eSIMより安く済むこともあるかと思いますが、プリペイドSIMよりはWiFiルーターレンタルの方が、補償プランや紛失オプションなど付けてしまうと高くなる傾向にあるのも事実です。
データ通信専用プランが多い
eSIMはデータ専用プランが大半のため、電話番号を絶対使いたい!という方は要注意です。
インターネットを利用したLINEなどで通話をすることは可能ですが、電話番号を使って電話をかける、SMSなどはデータ専用プランだと出来ませんのでご注意下さい。
日本で使っているSIMでも電話はかけることが出来ますが、海外通話となるため高額請求になる可能性もあります。
ただし、海外の電話番号が付属しているeSIMもあります。
現地の施設を予約したい場合は日本の電話番号だと予約出来ない場合もありますので、もしものために電話番号が欲しいという方は、eSIMのプランもよく確認してご利用ください。
「eSIM」SIMロック解除必要か?
eSIMでご利用いただくためには、必ずSIMロック解除された端末を使用する必要があります。
「SIMロック」とは?
特定のSIMカードを差し込んだ場合のみに動作するように施された携帯電話やスマホ等の機能制限のことです。
- 自分のスマホがSIMロック解除されているか確認したい方
- SIMロック解除のやり方を知りたい方
こちらの関連記事にまとめてあります。
eSIMご利用までの流れ
eSIMを利用する際の流れを簡単に説明します。
事前準備
- eSIM対応端末
(SIMロック解除済みのもの) - WiFi環境
- QRコードを表示させるスマホやパソコン
(なくても利用は可能)
ドコモ公式のYouTubeチャンネルで開通手続きの方法が詳しく紹介されていましたので、こちらをご確認下さい。
ドコモ以外の携帯電話会社をお使いの方も、ご利用までの流れはほぼ変わりませんが詳しく設定方法が知りたい方は、下記リンクからご確認下さい。
まとめ
いかかでしたでしょうか?
今回は、SIMとeSIMの違い、どちらを選ぶべきか解説させていただきました。
- 「SIM」と「eSIM」とは?
- 契約者の情報や電話番号に関するデータが書き込まれている点は同じ
- 差し込み型か内蔵型の違い
- 「eSIM」のメリット
- 通信キャリアを手軽に乗り換えやすい
- 1台のスマホで複数回線の利用が可能
- 「eSIM」のデメリット
- 対応機種や利用できる料金プランが少ない
- 機種変更の場合は、再発行が必要になる
- 「SIM」と「eSIM」どっちがいい?
- 特に必要に迫られていない方は「SIMカード」のままでOK
- 「SIM」と「eSIM」どっちが海外で便利?
- eSIMの方が便利
- eSIMの海外利用メリット
- 購入から使用開始まで全てオンラインで完結
- SIMの入れ替え不要/なくす心配がなくなる
- スマホ以外の持ち物がいらない
- 複数のSIMをインストール可能
- eSIMの海外利用デメリット
- 利用地域によっては、SIMカードやWiFiルーターレンタルの方が安く済む場合もある
- データ通信専用プランが多い
- 「eSIM」SIMロック解除必要か?
- 必要
eSIM使ってみようかしら…
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eSIMにした方が良いか、SIMカードのままで手続きした方がよいかなど、無料でアドバイスさせていただきます。
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