「携帯電話番号ポータビリティ(MNP)」について徹底解説!!
現在では、格安SIMや各社多数の料金プランが登場しています。
今まで、何となく「同じ会社のままでいることがお得」「他社に移るのは面倒」と思いずっと同じ会社のままにしていることはありませんか?
実は、そのままでは逆に損している場合があります!!
以前は同じ会社で長期間利用していると割引が増えたり、何かしらお得になる場合がありましたが、現在の新しいプランでは一切ありません。同じ会社に縛られることで、お得に利用するチャンスを逃すのはもったいないですよね。
格安SIMに変えて、月々の携帯料金を節約したいけど、「電話番号は変わってしまうのか?」「今と何か変わってしまうのか?」「手続きが面倒なのでは?」等、MNPに関するよくある質問や注意事項・手順について解説致します。
MNPとは?
MNPとは Mobile Number Portability(モバイルナンバーポータビリティ)の略で、携帯電話番号そのままで移転先の携帯電話会社の通信やサービスをご利用いただける制度のことを指します。「携帯電話番号ポータビリティ」ともいいます。また「のりかえ(乗り換え)」とも呼ばれています。
MNP予約番号
「MNP予約番号」はMNPの手続きをするために必要な10桁の番号です。「今から電話番号そのまま他社に移りますよ!」という事前予約です。移転元の通信会社でこのMNP予約番号を発行すると、移転先で契約手続きをする際に、MNP予約番号から電話番号情報を引き継ぐ手続きるようになります。
MNP予約番号発行の種類
MNP予約番号発行には「継続型MNP」「切断型MNP」の2種類の方法があります。特別な理由がない限りは「継続型MNP」にて予約番号を発行しましょう。
切断型MNPはMNP予約番号発行と同時に、移転先でMNP手続きが完了するまで、電話番号が利用できなくなります。また、間違えて切断型MNPで予約番号を発行してしまうと、如何なる理由でもキャンセルができなくなります。
リスクのある取得方法ですので、特別な理由がない限り、「継続型MNP」にて取得しましょう。
※WEBや電話で取得する場合は、「継続型MNP」になります。「切断型MNP」は店頭のみで取得可能です。
切断型MNPを選ぶメリット
上記の内容を見ると切断型のMNP予約番号発行にはメリットがないように思えますが、3点においてメリットとなる場合があります。
【メリット①】当月が契約更新月だが、当月中にMNP手続きができない場合
「切断型」でMNP予約番号発行の場合、予約番号発行日が解約日となります。例えば、11月30日までが更新月でも、12月に入ってからでないとMNPで契約手続きができない場合、「継続型」で予約番号を発行していると12月時点の契約解除料が発生します。「切断型」で予約番号を発行した場合、「解約日=MNP予約番号発行日」となるため、11月中(更新月中)に「切断型」でMNP予約番号を発行しておけば、12月に入ってからMNP契約手続きをしても解除金は無料となります。
【メリット②】契約締め日をギリギリまたいでMNPする場合
各通信会社の月額料金は、「日割にならない」事がほとんどです。締め日が月末の場合に、例えば2日に契約した場合でも、1ヵ月分満額請求されます。MNP転出先の通信キャリアでも2日から月末までの料金が発生しますので、MNP契約当月は移転元と移転先への実質2回線分の支払いをすることになります。
“メリット①”にも記載したように、「切断型」でのMNP予約番号発行の場合は、「MNP予約番号発行日=解約日」となります。予約番号を発行した日から、有効期限が切れるまで猶予が15日あるので、その期間にMNP手続きができれば、二重に請求されることを避けることができます。
※予約番号発行日からMNP契約手続き完了までは、電話番号・通信共に使用ができなくなります。
【メリット③】複数社で契約可能回線数が上限に達している場合
1人の名義で契約申し込みをするのには、回線数に上限があります。A社・B社共に契約可能な回線数上限に達している場合、A社からB社、B社からA社へ移ることはできません。
この場合、どちらかの会社の回線を解約し、契約回線数を減らした後に手続きする必要があります。
A社とB社で、相互に乗り換えをしたい場合でも、空いている回線枠がありませんので、回線カウント数が減るまで手続きをすることができません。
このような場合、「切断型MNP」にて予約番号を発行すると、解約手続きを同時に申し込むことになるため、回線数のカウントから外すことができます。
回線契約にはクレジットカードと同様、必ず審査があります。「切断型」で予約番号を発行し、万が一契約の審査が通らなかった場合、電話番号は消滅してしまいます。審査については、通信会社要因ではなく契約者要因である為、万が一審査が通らず契約が成立しなかった場合でも、MNP予約のキャンセルはできませんので、予めリスクを確認しておきましょう。
上記のも記した通り、とてもリスクのある取得方法ですので、特別な理由がない限り、「継続型MNP」にて取得しましょう。
よくある質問
ここからは、MNP時の手続き手順や注意事項について解説します。
MNP手順
MNPの手続き手順はカンタン2ステップ!!
取得方法 | 取得者 |
---|---|
WEB | 契約者or使用者 |
【移転先】契約店舗 | 原則契約者本人のみ |
【移転元】専門ショップ | 契約者or代理人 |
電話 | 契約者本人のみ |
- ご契約状況によっては「WEB」で取得できない場合があります。(複数回線/家族回線/セット割引/サービス加入)
- ご契約時に店舗で取得する場合、MNP予約番号の取得は「WEB」もしくは「電話」で取得するためのサポートを実施します。ですから、原則契約者ご本人様のご来店が必要です。
- 移転元通信会社の専門ショップで取得する際、契約者ご本人様がご来店できない場合は、委任状やご契約者様の本人確認書類が必要となります。
10桁のMNP予約番号が発行できたら、すぐに契約手続きが可能です。
必要なもの(こと) | 詳細 |
---|---|
スマホ(携帯)本体※ | SIMカードをさして開通テストをするため必須 |
【移転先】契約者本人確認書類 | 各社必要な「本人確認書類」をご確認下さい |
【移転先】契約者本人のご来店 | 代理人受付不可 |
【移転元】名義人の本人確認書類 | 移転元の名義人のご来店がない場合は委任状も必要です |
- 店舗で契約する場合は、ご契約手続き完了後にSIMカードを差し替えて、通話・通信ができることを確認するため、スマホ本体をご持参いただけない場合は契約ができません。
- 契約する通信会社により、必要な本人確認書類が異なる場合がございます。予め必要書類をご確認下さい。
- 如何なる理由でも、移転先のご契約者は必ずご来店いただく必要があります。格安SIM提供会社を除き、専門ショップにて後日名義変更(有料)が可能です。
MNP時の5つの注意事項
電話番号そのままで他社へ移ることができますが、以下の5点の注意点について予めご確認の上、お手続きを進めてください。
- 初期費用
- 【移転元】契約者情報
- 予約番号の有効期限
- 【移転先】MNP切り替え申込時間
- 引き継げるもの
初期費用
【移転元】契約解除料
ご利用のプランや契約において、一定期間の契約をお約束いただく代わりに月額料金から割引サービスがあり、その一定期間外でご契約を解除なさる場合に発生するのが「契約解除料」です。
現在のプランでは、ほとんどのプランで契約解除料は撤廃されていますが、2021年3月以前にご契約されたプランの場合は、契約解除料が発生する可能性がございます。
契約解除料は、移転元通信会社の最終ご利用月の月額料金と合算して請求されます。
確認方法
- 各通信会社のマイページ
- 各通信会社カスタマーセンター
※格安SIM提供会社は電話での対応がない場合があります。 - 携帯ショップ
※店頭のみ/電話不可
【移転元】最終月利用料
MNPで転出する際は、移転元の月額利用料金は「日割にならない」事がほとんどです。
安くするためにMNPしようと思ったのに、請求が来てからビックリ!!ということがないように、予め確認しておきましょう。解除料についての説明は、現在利用している通信会社と契約した際に必ず説明されているものですので、契約当時の書面等でも確認することができます。
日割有無 | 解約月 | 契約月 |
---|---|---|
docomo | 満額 ※当日付 | 日割 |
au | 満額 ※当日付 | 日割 |
ソフトバンク | 満額 ※前日付 | 日割 |
ワイモバイル | 満額 ※前日付 | 日割 |
UQモバイル | 日割 | 日割 |
楽天モバイル | 満額 ※従量制 | 満額 ※従量制 |
BIGLOBEモバイル | 満額 ※当日付 | 初月無料 |
IIJ mio | 満額 ※当日付 | 日割 |
MNP転出手数料
以前は最終月の利用料金と合算でMNP転出手数料がかかりましたが、2021年4月1日より廃止されました。
MNP手続きをする際に、様々な費用が積み重なり、初月費用が高額になりがちでしたが、最近ではとても緩和され気軽に手続きできるようになりました!!
【移転先】事務手数料(登録手数料)
MNPの契約手続き時には、移転先へ加入する為の契約手数料が発生します。
基本的には契約当月の利用料金と合算して、最初の請求時に合算して請求されます。
通信会社 | 手数料 | 支払タイミング |
---|---|---|
docomo | 3,300円 | 翌月請求 |
au | 3,300円 | 翌月請求 |
ソフトバンク | 3,300円 | 翌月請求 |
ワイモバイル | 3,300円 | 翌月請求 |
UQモバイル | 3,300円 | 翌月請求 |
楽天モバイル | 0円 | ー |
BIGLOBEモバイル | 3,300円 ※別途SIM発行手数料あり | 契約日/店頭 |
IIJ mio | 3,300円 ※別途SIM発行手数料あり | 契約日/店頭 |
ahamo | 0円 | ー |
povo | 0円 | ー |
LINEMO | 0円 | ー |
同じ系列会社内のMNP(番号移行)の場合は事務手数料は免除となります。
通信提供会社 | 相互手数料免除対象 |
---|---|
ソフトバンク系列 | ソフトバンク ワイモバイル LINEMO |
au系列 | au UQモバイル povo |
docomo系列 | docomo ahamo |
店頭で契約する場合は、基本的には見積書が発行されます。契約前に初期費用も確認しておきましょう。
格安SIM提供会社の場合は見積書を発行するシステムがない場合もありますが、店頭のスタッフに初期費用も含めて見積もりを確認したい旨お伝えください。
また、オンライン(WEB)にてご自身で契約手続きをする際には、すべて自己責任となりますので、重要事項を見落とさないよう気をつけましょう。
【移転元】契約者情報
「移転元」のご契約名義人と「移転先」でのご契約名義人が異なる場合は、別途書類が必要です。
「自分の名義だと思っていたが実際は家族名義だった」ということがよくありますので、予め確認しておきましょう。
店舗で相談する場合は、口頭で料金を聞くだけでなく、契約情報を確認してもらうことをオススメします!!
※携帯ショップに行くときは、必ず運転免許証等の本人確認書類を持っていきましょう。
名義人確認方法
- MNP予約番号発行時の名義確認
- 携帯ショップ(店頭/電話不可)
※ご本人様でない場合は、ご契約者本人でない事のみ分かります - カスタマーセンター
- 各通信会社マイページ
名義人がわからない場合は、名義人の可能性がある人ご自身で問い合わせる必要があります。お電話した方が名義でなかった場合は、名義人である可能性がある人から再度ご連絡いただく必要があります。
よくある手続き不可事例
- 名義が自分だと思っていたら家族名義だった
- 家族名義だけど遠方ですぐ書類の準備ができない
- 名義が誰かわからない
MNPと同時に名義人を変更する場合に必要なもの
移転元の名義人と移転先の名義人を変える場合、移転元名義人の「ご家族」であることが必須条件です。
名義を変更する場合は、通常の必要書類とは別に以下を準備する必要があります。
苗字同一/住所同一の場合
- MNP予約番号(有効期限内のもの)
- 「移転元」名義人の本人確認書類(コピー可/FAXや写真不可)
- 「移転元」名義人が一緒に来店できない場合は委任状(代筆・コピー不可)
苗字相違/住所相違の場合
- MNP予約番号(有効期限内のもの)
- 「移転元」名義人の本人確認書類(コピー可/FAXや写真不可)
- 「移転元」名義人が一緒に来店できない場合は委任状(代筆・コピー不可)
- 家族であることが証明できる書類(3か月以内に発行された戸籍謄本など)
通信会社 | MNPと同時に名義変更/可否 |
---|---|
docomo | 〇 |
au | 〇 |
ソフトバンク | 〇 |
ワイモバイル | 〇 |
UQモバイル | 〇 ※auからの移行時は不可 |
楽天モバイル | ✕ |
BIGLOBEモバイル | ✕ |
IIJ mio | 〇 |
MNPと同時に名義を変える場合は、即日契約手続きが可能です。
名義を変更してからMNPをする場合
移転元と移転先で名義が同一でないと手続きができない場合、MNP契約手続きをする場合は以下の点について注意が必要です。
事前確認事項
- 名義変更手数料が別途3,300円発生
- 専門ショップ店頭で手続きが必要
- 名義変更完了までに数日かかる
※即日MNP手続き不可
名義変更をする際には、手間・手数料・日にちの面でも、「名義変更ができない通信会社」でない限りMNP手続きと同時にまとめて変更しましょう!!
MNP契約手続き時に名義変更する際は、契約前に携帯ショップにて直接お問い合わせいただくことをオススメします!!
予約番号の有効期限
MNP予約番号を取得した日を含め15日間有効です。「継続型」でMNP予約番号を発行した場合、有効期限が切れるとそのまま元の契約が何も変更されることなく継続されます。有効期限が過ぎた後に、他社へMNPする場合は再取得する必要があります。
「切断型」でMNP取得した場合、15日経過すると契約中の通信会社との契約も解除となり、電話番号も消滅します。
有効期限内に手続きできるよう、契約予定日を決めてから予約番号を発行することがオススメです。
現在では、携帯ショップでもご自身の都合に合わせて来店予約を取ることができます。店舗への来店予約を済ませた上で、逆算して予約番号を発行しておくと、スムーズに手続き可能です。
MNP切り替え申込時間
MNPの切り替え手続きには、通信事業者間でシステムを連携する都合上、申込手続きに時間制限があります。
ほとんどの通信会社はは20時~21時には終了します。
受付終了時間ギリギリに慌てて申込手続きをした場合、当日に契約が完了せずに、手続きが再開する翌朝に契約が完了する場合があり、この場合の手続きはキャンセルができません。
また、翌日改めて店舗に出向く必要があるだけでなく、MNP手続き完了後には、移転元の通信会社との契約は終了するため、電話も通信も利用できなくなってしまいます。次の日はお仕事や予定があるのに、店舗に行くまでスマホをを利用できなくなってしまいます。
以上のことから、MNP契約手続きをする際は、店舗の閉店時間の数時間前にはお手続きを開始できるようご来店いただく必要があります。
引き継げるもの
MNPで番号そのまま他社へ移る場合は、引き継げるものと引き継げないものがあります。
項目 | 引継ぎ可否 |
---|---|
電話番号 | 〇 |
メールアドレス (通信会社提供) | 〇 |
通信会社提供サービス (留守電/オプション等) | ✕ |
キャリア決済 | ✕ ※MNP後の会社に準ずる |
お持ちのスマホそのまま、中のSIMカードのみ差し替える場合は、本体のデータもそのままご利用いただけます。
移転元の通信会社が提供しているサービスに関しては、引継ぎができませんので、MNP前に、利用有無を確認しておきましょう。
この記事では、MNP(携帯電話番号ポータビリティ)について解説しました。
「番号そのまま乗り換える」ことは、手順さえ把握できていればとても簡単です。また、携帯ショップもたくさんありますので、是非まずはご自身のプランが本当に自分に合っているのかを相談してみてください。
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今後も、スマホをより便利で快適に利用できるよう情報を配信して参ります。これからも宜しくお願い致します。