SNSやWebサイト、メールに記載されているURLや動画をクリックしただけで身に覚えのない高額料金の請求画面が表示され、
もしかして『ワンクリック詐欺』かも!?
と思った経験はありませんか?
パソコンの普及以来、ワンクリック詐欺による被害が数多く報告されてきました。
そのワンクリック詐欺は現代、スマートフォンユーザーを標的とし、被害が増加しています。
このワンクリック詐欺自体の認知をしている方は多くいるとは思います。
ですが、認知度が高まっているのにも関わらず、なぜ『ワンクリック詐欺』の被害に遭ってしまうのでしょうか?
今回は、詳しいワンクリック詐欺の手口や、被害防止のための基礎知識、万が一高額な料金を支払ってしまった場合の対処を解説していきます。
快適で安全にスマホを操作できるようにするため、対策を万全にしておきましょう!
ワンクリック詐欺の手口とは?
メールやSNSに記載されたURLを利用した『ワンクリック詐欺』
“身に覚えのないメール”や”普段利用しているSNS”に記載されているURLが気になってクリックすることがあると思います。
これらは「無料」などの謳い文句でユーザーの興味をそそり、URLをクリックさせようと誘導します。サイトにアクセスすると「登録完了しました」というメッセージと、高額な料金を請求する画面を表示させる手口です。
あわせて機種名やIPアドレスなど自身の端末の情報、支払い期限までのカウントダウンが表示されることが多いため、慌てて料金を支払ってしまったという事例が多く報告されています。
アダルト動画サイトの動画再生ボタン、ダウンロードボタンを利用した『ワンクリック詐欺』
アダルト動画サイトのコンテンツを利用しようと再生ボタンをクリックしたり、年齢確認ボタンを押しただけで、料金請求画面が表示されるケースがあります。
見つけにくい場所に小さな字で利用規約を表示していることも多いです。
恐怖を感じて高額な料金を支払ってしまう事例も多く報告されています。
アプリのダウンロードと起動による『ワンクリック詐欺』
提供元不明のアプリをダウンロードし、アプリ起動後に高額な料金が請求される画面が表示された事例もあります。
近年は、「複数クリック詐欺」と呼ばれる手口も横行しています。
複数クリック詐欺とは
メールアドレスや電話番号などによる会員登録といった複数の手続きを踏むことで「このアプリは安全だ」とユーザーに信じ込ませ、ダウンロードをさせようと誘導します。
コンビニでプリペイドカードを購入するように要求される『ワンクリック詐欺』
詐欺業者は、銀行口座に個人情報を登録することで、通報があった場合、捜査の際に不利になります。
そのため、個人情報を分からないようにするための手口をとっています。
その中の1つとしてプリペイドカードという手段を使ってきます。
みなさんは「amazonギフトカード」や「iTunesカード」「Google Playストアカード」などは聞いたことありますか?
これらは、カードに書いてあるコードを利用して、ネットでのお買い物や、アプリへの課金に使うことができます。
被害者にコンビニなどでプリペイドカードを購入させ、そのカードに書いてあるコードを要求することで、詐欺業者の口座情報などが相手に伝わらないようにプリペイドカードの情報を受け取ります。
また、受け取ったプリペイドカードを現金化するという手段も、スマートフォンの普及とともに多く見られるようになりました。
『ワンクリック詐欺』の高額請求は無視しても平気なの?
ユーザーに支払い義務はない!
ワンクリック詐欺は、電子消費者契約法によると、
- 消費者に申し込みの意思がなかった場合
- 誤操作などによるミスで契約内容を誤った場合
契約は成立しません。
申し込み内容の訂正や確認が可能な画面が表示されない場合、契約が無効となります。
そのため、ワンクリック詐欺には支払い義務は生じません。
もしも、利用規約などが非常に小さく表示されていたとしても、動画コンテンツのダウンロードボタンやURLをクリックしただけでは、ユーザーが有料会員の登録に同意したことにはなりません。
有料サービスであると わかりやすい説明が事前にないのは、ユーザーにとって不利な契約であると判断される可能性が高いためです。
また、請求画面にIPアドレスやプロバイダ情報が表示される場合もあり、個人情報が漏えいしたのではと不安になるでしょう。
しかしながら、端末やIPアドレス、プロバイダ情報だけで氏名・住所・電話番号などの個人情報は特定できません。しかも、多くのサイトはサイト上にプロバイダ情報を表示しているだけで、請求者はそれらの情報を取得できていませんので、請求画面の表示によって個人情報を取得される危険性は低いと言えます。
未成年は契約を無効にできる!
成人と比べて、情報リテラシーの低い中高生をターゲットにしたワンクリック詐欺では、「年齢詐称は詐欺罪にあたる可能性がある」と表示することによって、恐怖感を与えて高額な料金を支払わせようとすることがあります。
しかし、未成年による契約は、両親などの成人の法定代理人の同意がない場合は、契約を無効にすることができます。
成年者と比べて、取引の経験や知識が不足し、判断能力も十分ではないため、法律で定められています。
そのため、確かに年齢を偽ってサービスを受ける場合は詐欺罪にあたる可能性がありますが、契約が無効となった場合は詐欺罪は成立しません。
なので、未成年の方はワンクリック詐欺の画面が出てきてしまっても
「自分は未成年だから契約を無効にできる!」
と、焦らず画面を閉じてしまいましょう!
無視してもOK!
不安から行動を起こすよりも、冷静に対処し「無視する」ことが最善な対応策でしょう。
また、退会のために電話での連絡や、個人情報を含めたメールの送信を求めてくる場合もありますが、詐欺業者は「支払う可能性がある」と判断し、新たな詐欺の被害に繋がる危険性があります。絶対に連絡を取らないようにしましょう!
連絡を取ってしまった場合の対処方
法律の専門家に相談
もしも、詐欺業者と連絡を取ってしまったら、「法律事務所」や「弁護士法人」、「法テラス」といった法的トラブルを解消できる団体に相談しましょう。
「法テラス」は相談者の収入・資産が一定額以下であれば、弁護士による法律相談を無料で利用できます。
ワンクリック詐欺に遭い、弁護士に相談する費用がない方におすすめです。
法テラスの公式ホームページに「犯罪被害者支援ダイヤル」が記載されているので、詳しくは直接確認してみて下さい。
また、詐欺業者から弁護士であるという団体や人物を紹介されても、弁護士を装っている可能性が高いため、連絡を取らないようにしましょう。
消費生活センター・国民生活センターに相談
消費生活センターと国民生活センターは、公共団体が提供する行政サービスの一つです。
消費者に対して、購入した商品やサービスによるトラブルの解決や、暮らしに役立つ情報の提供を行っています。
連絡先を教えてしまった場合は、消費者ホットライン「188(イヤヤ)」に電話し、ガイダンスに従って操作してください。最寄りの消費生活センター、もしくは国民生活センターにつながります。
また、国民生活センターのホームページでも最寄りの消費生活センターを探せます。
既に料金を支払ってしまった場合の相談
詐欺業者に料金を支払ってしまった場合は、できるだけ早めに最寄りの警察署に被害届を提出するか、サイバー警察に通報しましょう。
サイバー犯罪の取締まり・検挙を専門とした組織のことであり、24時間体制でサイバー攻撃の監視・取締りを行っています。各都道府県の警察本部に部署が設けられており、それぞれ電話番号が異なります。東京在住の方は、警視庁が窓口です。
警察庁のwebサイトから、各都道府県のサイバー警察の電話番号を確認できます。
まとめ
- SNSやメール、アプリ、Webサイトに掲載されているURLや、再生ボタンから請求画面が表示されることがある
- 請求画面が表示されても、無視してOK
- 連絡を取ってしまったら、消費者センター・国民生活センターなどの公共サービス、法テラスや弁護士団体に相談
- 料金を支払ってしまった場合は、早急にサイバー警察や警察署に連絡
現時点でご自身や友人、家族などが詐欺にあってしまった場合は、気づいた時点でなるべく早めに専門家に連絡をしましょう。
また、個人情報が漏えいするおそれがあるため、不安や怒りなどがあっても詐欺業者と連絡を取らず、請求画面が出た場合は無視しましょう。
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