2023年11月27日、ドコモ回線の格安SIM(MVNO)である日本通信から「合理的30GBプラン」の提供が開始されました。特徴は次の通りです。
- 月額2,178円
- データ量30GB
- 5分かけ放題つき
正確に言ったらこの合理的30GBプランはデータ量20GBで5分かけ放題つきの「合理的20GBプラン」を料金据え置きでデータ量を10GB増量させたものですが、日本通信の福田社長曰く「反響がすごかった」とのことです。
データ量20GB以上のプランをお得な料金で提供している日本通信ですが、実はデータ量1GBの小容量帯プランも月額290円(税込)で提供しており、低容量プランを検討している方からも支持を集めています。
そこで日本通信とよく比較されるのが、日本通信と旅行会社のHISの合弁会社「HISモバイル」。
日本通信の合弁会社であるためか、HISモバイルの料金プランは日本通信とよく似ています。
共に中継電話設備を介して通話する「プレフィックス方式」ではない点、VoLTEを利用しているため通話品質に定評がある点も同じです。
これらを踏まえて、日本通信とHISモバイルはどちらがお得なのか?
この記事では両者を比較していきます。
日本通信の料金プラン
日本通信の料金プランは
小容量(1GB~)
→合理的シンプル290プラン
中容量(10GB)
→合理的みんなのプラン
中〜大容量(30GB)
→合理的30GBプラン
といった棲み分けができています。
合理的シンプル290プラン
基本料金 | 290円 |
---|---|
データ量 | 1GB |
低速時速度 | 非公表 |
データ量追加時と料金 | 220円/GB |
データくりこし | 不可 |
通話料金 | 11円/30秒 |
通話オプション | ・70分無料通話 700円 ・かけ放題1,600円 |
通話アプリ | 不要 |
eSIM | 対応 |
回線 | ドコモ回線 |
契約期間 | なし |
事務手数料 | 3,300円 |
※料金は税込
合理的シンプルプランはデータ量1GB290円(税込)が最安料金で、1GBを超えると1GBあたり220円(税込)で100GBまで利用できる従量段階制のプランです。
ただ、データ使用料の上限はマイページから設定することができるため、使い過ぎの心配はいりません。
1GBプランを提供している他の格安SIM(MVNO)の一例を取りあげてみると、
- イオンモバイル 858円
- JCOM MOBILE 1,078円
- mineo 1,298円 ※全て税込
月額1,000円を超えるところが一般的です。
それを考えると、日本通信の「1GB 290円」はいかにお得であるかがわかると思います。
仮に5GBまでデータ量を使った場合の料金は以下のようになります。
1GB | 290円 |
---|---|
2GB | 510円 |
3GB | 730円 |
4GB | 950円 |
5GB | 1,170円 |
※料金は税込
合理的シンプル290プランの注意点
音声通話対応で1GB290円(税込)は格安SIM(MVNO)の中でも最安ですが、3GBを超えてくるとそのお得さにも陰りが見えてきます。
3GB以上のデータ量を使うのであれば、後述するHISモバイルか次にご紹介する「合理的みんなのプラン」を検討した方が良いでしょう。
また、他社の通話オプションによくみられる「5分かけ放題」も合理的シンプル290プランではつけることができません。
このあたりも注意しましょう。
合理的みんなのプラン
基本料金 | 1,390円 |
---|---|
データ量 | 10GB |
基本料金に含まれる 通話オプション | ・70分無料通話 または ・5分かけ放題 |
低速時速度 | 非公表 |
データ量追加時と料金 | 220円/GB |
データくりこし | 不可 |
通話料金 | 11円/30秒 |
通話オプション | かけ放題 1,600円 |
通話アプリ | 不要 |
eSIM | 対応 |
回線 | ドコモ回線 |
契約期間 | なし |
事務手数料 | 3,300円 |
※料金は税込
この合理的みんなのプランも合理的30GBプラン同様、サービス開始当初からの仕様が改定されたものです(元々のデータ量は6GB)。
合理的みんなのプランの中についている通話オプションは、「70分通話無料」か「5分かけ放題」どちらかから選べます。
合理的30GBプラン
基本料金 | 2,178円 |
---|---|
データ量 | 30GB |
基本料金に含まれる 通話オプション | ・70分無料通話 または ・5分かけ放題 |
低速時速度 | 非公表 |
データ量追加時と料金 | 220円/GB |
データくりこし | 不可 |
通話料金 | 11円/30秒 |
通話オプション | かけ放題 1,600円 |
通話アプリ | 不要 |
eSIM | 対応 |
回線 | ドコモ回線 |
契約期間 | なし |
事務手数料 | 3,300円 |
※料金は税込
記事冒頭でもお伝えしましたがこの合理的30GBプラン、元々はデータ量20GB、70分無料通話つき(または5分かけ放題)を月額2,178円(税込)で提供されていたプランでした。
20GBのプランを提供している格安SIMの一例を見てみると、ahamoが2,970円(税込)、イオンモバイルが1,958円(税込)、IIJmioが2,000円(税込)、mineoが2,178円(税込)、HISモバイルが2,190円(税込)、NUROモバイル(NEOプラン)が2,699円(税込)、J:COM MOBILEが2,728円(税込)といったように各社月額2,000円代でしのぎを削っています。
そんななか、2023年11月より日本通信が「月額料金は2,178円(税込)のままで、データ量30GB、さらに通話オプションつき」で料金プラン改定を実施。
これにより日本通信が20GB〜30GBの中容量帯(〜大容量帯)では一歩抜きん出た存在となったのです。
HISモバイルの料金プラン
HISモバイルの料金プランは
小容量(100MB~)
→自由自在290プラン
中〜大容量(20GB~)
→自由自在スーパープラン
この2種類に分かれています。
自由自在290プラン
基本料金とデータ量 | 100MB未満 290円 1GB 550円 3GB 770円 7GB 990円 |
---|---|
低速時速度 | 200kbps |
データ量追加時と 料金 | 200円/GB |
データくりこし | 不可 |
通話料金 | 9円/30秒 |
通話オプション | ・通話5分定額オプション 500円 ・完全かけ放題 1,480円 |
通話アプリ | 不要 |
eSIM | 対応 |
回線 | ドコモ回線 |
契約期間 | なし |
事務手数料 | 3,300円 |
※料金は税込
用意されているプランは上限1GB(100MB未満)・3GB・7GBの3つ。
なので、日本通信の合理的シンプル290プランとの比較検討候補に入るでしょう。
このあたりのお話は「1.小容量(10GB以下)で比較」にて後述します。
自由自在スーパープラン
基本料金とデータ量 | 20GB 2,190円 50GB 5,990円 |
---|---|
基本料金に含まれる 通話オプション | 通話5分定額オプション |
低速時速度 | 200kbps |
データ量追加時と料金 | 220円/GB |
データくりこし | 不可 |
通話料金 | 9円/30秒 |
通話オプション | かけ放題 1,600円 |
通話アプリ | 不要 |
eSIM | 対応 |
回線 | ドコモ回線 |
契約期間 | なし |
事務手数料 | 3,300円 |
※料金は税込
20GBで2,190円(税込)。
しかも5分かけ放題付き。
プラン自体はドコモのオンライン専用プランahamoに似ていますが、月額料金は780円(税込)HISモバイルの方が安くなっています。
HISモバイルドコモ回線を借りているMVNOのため、通信品質はahamoと同等というわけにはいきません。
しかし「5分かけ放題」を重視する方にとってはHISモバイルの自由自在スーパープランは選択肢の一つになるのではないでしょうか?
データ量で比較
ここまで日本通信の3つのプランとHISモバイルの2つのプランの概要に触れてきました。
この章と次章では、データ量に焦点を当て小容量と中・大容量に分けてそれぞれ比較していきたいと思います。
小容量(10GB以下)で比較
日本通信は合理的シンプル290プラン及び合理的みんなのプラン、HISモバイルは自由自在290プランで比較します。
日本通信 | HISモバイル | |
---|---|---|
プラン名 | 合理的シンプル290プラン | 自由自在290プラン |
100MB未満 | 290円 | 290円 |
1GB | 290円 | 550円 |
2GB | 510円 | 750円 (データ量追加時) |
3GB | 730円 | 770円 |
4GB | 950円 | 970円 (データ量追加時) |
5GB | 1,170円 | 1,170円 (データ量追加時) |
6GB | 1,390円 | 1,370円 (データ量追加時) |
7GB | 1,610円 | 990円 |
8GB | 1,830円 | 1,190円 (データ量追加時) |
9GB | 2,050円 | 1,390円 (データ量追加時) |
10GB | 2,270円 (合理的シンプル290プラン) 1,390円 (合理的みんなのプラン) | 1,590円 (データ量追加時) |
※料金は税込
※日本通信は1GBあたり220円、HISモバイルは1GBあたり200円でデータ量追加可能
※HISモバイルで提供されているプランは1GB・3GB・7GB
表を見て頂くとお分かりになる通り、利用データ量が3GB以下の場合は日本通信の方が基本料金が安くなります。
しかし、5GB以上10GB未満になってくると話は別です。
今度はHISモバイルの方が安くなってきます。
特にデータ量7GBだとHISモバイルの料金がとりわけ安く設定されていることもありますが、その差は620円(税込)に。
もっとも、日本通信・HISモバイル共にデータくりこしができないため、仮にHISモバイルで7GBのプランを契約し、データ量が余ったとしたらそれは無駄になってしまいます。
小容量帯(10GB以下)でそれぞれ選ぶ基準としては、以下のようになります。
日本通信
- データ量が3GB以下
- 10GB使うことがわかっていたら
→合理的みんなのプランを契約
HISモバイル
- データ量は5GB以上
- データ量は7GBでおさまる
ただし日本通信の場合、このデータ容量帯では合理的みんなのプランを契約しない限り、5分かけ放題をつけることはできませんので、5分かけ放題が必要な方はHISモバイルにすると良いでしょう。
中・大容量(20GB以上)で比較
日本通信は合理的30GBプラン、HISモバイルは自由自在スーパープランで比較します。
日本通信 | HISモバイル | |
---|---|---|
プラン名 | 合理的30GBプラン | 自由自在スーパープラン |
基本料金 | 2,178円 | 2,190円 |
データ量 | 30GB | 20GB |
基本料金に含まれる 通話オプション | ・70分無料通話 または ・5分かけ放題 | 通話5分定額オプション |
※料金は税込
普通に考えれば、「日本通信一択」と言えるでしょう。
もちろん、各通話オプションを超過した場合の通話料金に目を向けた場合、日本通信が30秒あたり11円(税込)、HISモバイルが30秒あたり9円(税込)。
このようにHISモバイルにアドバンテージがないこともありませんが、「2,178円(税込)でデータ量30GB使える」日本通信のインパクトが強烈すぎます。
ただし日本通信のプラン改定を受けて、HISモバイルでもプラン改定が発表されるかもしれません。
注目しておきましょう。
まとめ
まとめ
日本通信
大きく分けて3つのプランがある
- 合理的シンプル290プラン
1GB 290円〜 - 合理的みんなのプラン
10GB 1390円
月70分の無料通話 or 5分かけ放題付き - 合理的30GBプラン
30GB 2,178円
月70分の無料通話 or 5分かけ放題付き
HISモバイル
大きく分けて2つのプランがある
- 自由自在290プラン
100MB未満 290円〜 - 自由自在スーパープラン
20GB 2,190円
5分かけ放題付き
選び方
小容量帯(10GB以下)の場合
- データ量が3GB以下
- データ量10GBは使う
→日本通信の合理的シンプル290プランまたは合理的みんなのプランを推奨
中・大容量(20GB以上)の場合
→日本通信の合理的30GBプラン一択
今後とも、みなさまのお役に立つ記事を執筆してまいります。