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意外と知らないiPhoneのコネクタ事情!type-C編!

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コネクタ、つまりは充電器。

読者の皆様の周りにも充電式のガジェットがどんどん増えていくこの令和の時代。

iPhoneはiPhoneの充電器を、パソコンはパソコンのを、ゲーム機はゲーム機のを…。

…もう!
ケーブルだらけで嫌になる!!

と思っているそこのあなた!!

近い将来この事態が一瞬で解決しちゃうかもしれないですよ!

目次

コネクター戦国時代

全てはこの時から始まっております。

1990年代、ガラケーのコネクターというのは各製造メーカー独自のものを採用しており、機種を買い換える度に今では想像もできないくらい大きな箱の中に機種と一緒に入っていました。

そのコネクタが故障や断線をしようものなら、ケータイショップへ行き長時間順番待ちをした挙句、ようやく購入ができるという時代でした。

その後に

このケータイとこのケータイはなぜか同じ充電コネクタが使えるぞ!

という中途半端統一時代が到来し、よく友達と充電器をシェアした事を著者は今でも覚えています。

2000年代後半に入るといつの間にか全機種・全キャリアの充電コネクタが完全に統一され、コンビニでも気軽に購入できる時代がやってきました。

黒船到来で再びコネクタ戦乱の世へ

1度はコネクタ界に平穏が訪れたものの…

2006年、「スマホ」という言葉も存在しない年にdocomoがカナダからBlackBerry 8707hという当時は超型破りなケータイを輸入したのです。

もちろん充電コネクタはガラケーと別で独自のタイプ

このケータイはパソコン用のwebサイト(フルブラウザ)を利用できました。

今でこそPCと同じサイトをスマホで見られるのは当たり前ですが、ガラケー最盛期の時代当時はiモードやEZwebが主流だったのと、発売から1年近く日本語にも対応をしないという(カナダ製のため)大冒険っぷりで、当時は一定のコアなファン層以外には全く流行らなかったのです。

フルブラウザを閲覧できるのは当時画期的ではあったものの、時代背景や対応言語の関係で流行りませんでしたが、もし流行っていた場合世の中のコネクター事情は今と違うものになっていたかもしれません。

これ以降、コネクタ界の平穏は続くと思われましたが…

ガラケー神話が崩れていく音とともに電源コネクターも…

BlackBerry 8707hの件以来、電源コネクター安泰の時代が永遠に続くかと安堵をしていました。

ですが、彼らが海を越えてやってきたのです。

  • 2008年、iPhone3GSが国内上陸(当時はSoftBankのみが取り扱い)
  • 2009年、国内初のAndroidスマホHT-03Aをdocomoが発売

そうです。彼らが全てを変えたのです。

iPhoneは当時「30ピンコネクター」という横に広い充電器を使っており、AndroidスマホはマイクロUSBを搭載したり、独自のものを利用したりとまちまち。

↑当時のiPhoneの30ピンコネクタ

そこから時は経ち、コネクタは主にiPhoneのLightningケーブルAndroidのUSB type-Cの2つとなりました。

一昔前にUSB type-Cの前身となるUSB type-Bという規格がメインに存在しましたが、世界的にUSB type-BからUSB type-Cへの移行が完了しつつあり、これから開発される多分野の製品にtype-Bが採用されることはもうないと著者は考えます。

↑Lightningケーブル
↑USBtype-Cケーブル

iPhoneもUSB type-Cに統一という動き

ご存じでしょうか、今世界的にiPhoneもUSB type-Cのコネクタにするよう働きかけている複数の ”国” がある事を。

今ヨーロッパでこのLightningケーブルが問題になっているのです。

欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会がUSB type-C法案という法案を提出したのです。

どういう法案かというと、スマートフォンをはじめとする電子機器類の充電方法をUSB type-Cにすることを義務付ける内容です。

しかも欧州議会(EP)と欧州委員会(EC)両者はEUで販売される有線充電を備えたすべてのスマートフォンに、2024年秋までに「USBtype-C」の搭載を義務付ける法案に2022年6月7日決定しました!

EUによると、消費者はこの新しい法律で充電器の購入費用を年間で最大2億5000万ユーロ(日本円に換算すると約350億円※2022年7月時点)を節約することができるとのことです!

アップル社は反対をしていますが、対応が迫られる事態となりました。

iPhoneをtype-Cに変更するのであればコスト的にユーロ圏のためだけにUSB type-C仕様のiPhoneを作る訳にはいかないからです。

アップル製品とUSB type-C

ただ、先ほどの内容はiPhoneに対しての話であり、アップル社はなんと2018年に充電・データ転送用にUSBtype-Cを搭載したMacBook Airを発売以降、現行機種まで全てのMacBookにUSBtypeCを搭載しているのです。

…もっというのであればLightning対応のMacBookなど一度も発売した事がありません。

更に第3世代iPad ProにもUSB type-Cを搭載以降、iPadのUSB type-C化は進み、今ではホームボタンがある無印iPadシリーズを除き、発売中の全てのiPadがUSB type-C

著者はUSBtypeCのMacBookと同じくUSB type-Cの第5世代iPadAirを利用しているのですが、USB type-Cで両機種を接続できるため、これが物凄く便利なんです!

USB type-Cが便利な理由

理由
データ転送速度

Lightningケーブルが最大転送速度480Mbpsに対して、USB type-C(USB 3.1規格)は最大10Gbpsと約20倍

理由
丈夫さ

端子部分がむき出しになっていないため接続不良の故障を起こしにくく、ケーブル自体もLightningより若干太めになっているせいか、断線という症状もあまり見かけません

理由
対応端末が多い

上記のスマホやPC以外に著者が知っているだけでもNintendo Swicth、ミラーレスカメラ、Bluetoothスピーカー、モバイルバッテリー、ポータブルSSD、Windows PC、電子タバコetc…

言い出したらキリがないくらい今の世の中の電子機器は皆USB type-Cがスタンダードであり、iPhoneだけが仲間外れ状態なのです。

アップル社がLightningケーブルにこだわる理由

iPhoneがUSB type-Cに対応してくれれば持ち歩くケーブルは実質1つだけになる!

これは著者のようにiPhoneのUSBtypeC化を熱望するユーザーからすると最大のメリットの1つだが、それでもアップルがUSBtypeC化を積極的に進めない理由がいくつかあると言われています。

1.本体のスリム化

Lightningを廃止してUSB type-Cを採用するのには、まずはデザイン面で制約があります。

Lightning端子よりもUSB type-C端子の方が少し大きいというのもあるのですが、iPhoneは突出しているコネクタ部分を本体に差し込む形式ですが、

USB type-Cはスマホ等の機器本体の充電口にある突出したコネクタ部分を包み込むようになっており、どうしても接続パーツはUSB type-Cの方が大きくなってしまいます。

そのため、もしもiPhoneのLightning端子をUSB type-Cにしてしまうと本体の接続穴の設計の変更に伴い、本体が今よりも厚くなってしまうのです。

2.シンプルに変更が大変、かつコストがかさむ

アップル社が手がける多くの周辺機器デバイスにLightning端子が使われています。

AirPodsやApple Pencil、Magic Keyboard、Magic Mouse 2、Magic Trackpad 2など

まだまだ存在するのですが、もしLightingを廃止した場合、アップル社はこれらの製品すべての端子をUSB type-Cに今後変更する必要が出てきます。

3.安全管理の問題

2000年代にサードパティ製(元の製品を作った会社の純正でなく、第三者が開発をした製品)の30ピンケーブル(日本で発売された初期iPhoneと同様のコネクタ)の利用でiPodが出火するという事件が多々起きていました。

アップルはこの問題を解決するべく「MFi(Made For iPhone)認証」というAppleのiPhone・iPadやiPod向けに製造された周辺機器類に対して発行される認証基準を設け、現在発売されているサードパーティ製のLightningケーブルのほとんどがMFi認証を受けたものになっています。

MFi認証を受けていないものは、最初のうちは使えていたとしてもiPhoneがアップデートをすると「このアクセサリは使用できません。」と表示がされ使い物にならなくなってしまうアレです。

↑MFi非対応のケーブルを利用しようとするとこのポップアップが表示されデータ転送どころか充電もできない

Lightinigは主にアップル製品にしか利用されていないのでアップルにとっては「MFi認証」を利用し管理するのが効率が良いのです。

しかし、iPhoneや他のLightning搭載デバイスがUSB type-Cになってしまうと再び管理下にないサードパーティ製のコネクタがiPhoneや他のアップル製品に使われることになるので、過去のように発火などのトラブルに繋がりかねない事態に逆戻りをしてしまうからです。

まとめ

国内のiPhoneのシェア率は2022年5月時点で44.1%と世界的にも高いため、Lightningケーブルを持ち歩いている人も多く、シェアをするのにはもってこいです。

しかし、Androidスマホのシェア率は同時点で国内において51.5%

情報提供元:MMD研究所

そのためアダプターが統一されれば性能的にも利便性的にもとても便利な世の中になる一方、USB type-Cをお持ちでない方は購入が必須になります。(現在発売中のiPhoneは全てケーブルはついてくるがコンセント部分のアダプターは別売り)

ヨーロッパ圏での法律がとうとう可決された以上、来年の秋までにアップル社は対応を迫られますが、Lightningのメリットをいくらあげた所で、相手が法律である以上意味がありません。

MFi認証の問題はありますが、いかに我々アップルユーザーをドキドキさせる予想外のアイデアでこの問題を乗り越えてくるかが見ものです!

そして、USB type-Cの統一化を著者は心より熱望しております。

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