本記事では余ったデータ量の繰り越し機能について、皆さんが疑問に思う点をまとめました。
扱っている通信会社は主に格安SIM(MVNO含む)となります。
以下の内容について調べている方を対象としています。是非参考にしてみて下さい。
- データ繰り越しとは?
- データ繰り越しできる格安SIM
- データ繰り越しできない格安SIM
- ワイモバイル、UQモバイルの違い
※2024年6月29日時点の情報です。
データ繰り越しとは?
データ繰り越しとは契約したプランの規定データ容量のうち、使われることなく余ったデータ容量を翌月以降でも使えるようにするサービスのことを指します。
規定データ容量 | 10GB |
---|---|
使用データ容量 | 5GB |
余ったデータ容量 | 5GB |
翌月に繰り越せる データ容量 | 5GB |
上記の表は規定データ容量10GBのプランを例にとっていますが、5GBデータ容量が余ったとすると、翌月に利用できるデータ容量は「10GB+5GB=15GB」となります。
規定データ容量 | 10GB |
---|---|
繰り越しデータ容量 | 5GB |
利用可能データ容量 | 15GB |
通信会社によって多少違いはありますが、繰り越しできるデータ容量の使用期限は翌月まで、上限については余ったデータ量全てとなっていることが一般的です。
次からは余ったデータを無駄なく利用できるデータ繰り越し機能に対応している代表的な格安SIMをみていきましょう。
データ繰り越しできる格安SIM
データ繰り越しできる代表的な格安SIMは以下の通りです。
なお、以下の表に記載した格安SIMのデータ繰り越しに関しては(一部の例外を除いて)以下の特徴を持っています。
- 余ったデータ容量全て繰り越せる
- 繰り越し期限は翌月末まで
基本料金 | 基本データ容量 | |
---|---|---|
NUROモバイル (ドコモ・au・ソフトバンク) | 792円〜 | 3GB〜 |
イオンモバイル (ドコモ・au) | 803円〜 | 0.5GB〜 |
IIJmio (ドコモ・au) | 850円〜 | 2GB〜 |
LIBMO (ドコモ) | 980円〜 | 3GB〜 |
y.u mobile (ドコモ) | 1,078円〜 | 5GB〜 |
mineo (ドコモ・au・ソフトバンク) | 1,298円〜 | 1GB〜 |
ワイモバイル (ソフトバンク) | 2,365円〜 | 4GB〜 |
UQモバイル (au) | 2,365円〜 | 4GB〜 |
※料金は税込
「価格.com」などのランキングサイトで上位にランクインする格安SIMのほとんどはデータ繰り越し機能に対応しています。
しかし、「ahamo」などの各通信キャリアのオンライン専用プラン。
あるいはドコモ回線の格安SIM(MVNO)として有名な日本通信など。
これらのようにデータ繰り越し機能に対応していない格安SIMもあることも事実です。
データ繰り越し機能に対応していないものに関しては「7.データ繰り越しできない格安SIM」の章にてまとめていますので、気になる方はそちらをご確認ください。
データ容量繰り越し 例外ケース
- NUROモバイル
-
3カ月ごとにデータ容量が付与される「Gigaプラス」で付与されたデータ容量の有効期限は付与された月から翌々月まで。
- y.u モバイル
-
余ったデータ容量は残容量100GBまで繰り越し可能で、有効期限はなし。
- mineo
-
月額110円(税込)の「パスケット」を契約すると、最大10PB(100万GB) までデータ容量の繰り越しが可能。
データ消費される順番
余ったデータ容量が繰り越された場合、その月に利用できるデータ量は、「規定データ容量」「繰り越しされたデータ容量」そしてデータ容量を追加購入した場合は、「追加購入したデータ容量」大きく分けるとこの3つになります(通信会社によって別途通信会社から付与されたり、他ユーザーから付与されたりするデータ容量もあります)。
この3つのデータ容量の消費される順番は以下の通りです。
新規受付終了している大手通信キャリアのプランはどうなのか?
今回の記事とはテーマが異なりますが、ドコモ、au、ソフトバンクで現在は新規受付が終了しているプランではデータ繰り越しに対応しているプランがあります。
しかし、これらのプランの場合「繰り越しされたデータ容量」が消費されるのは規定データ容量を使い終わった後です。
つまり、データ容量が余った月の翌月に付与される規定データ容量を使い切らないと、繰り越しされたデータ容量は消費されることはありません。結果として有効期限を過ぎて利用できなくなってしまうということになります。
大手キャリアのデータ繰り越し対応プランの一例
- ドコモ
-
パケットパック(シェアパック、データパック)
- au
-
auフラットプラン
- ソフトバンク
-
ギガモンスター、ウルトラギガモンスター
上記のプランの多くは2019年をもって新規受付が終了していますが、現在でも契約している方は「データ容量が消費される順番」には注意しておきましょう。
追加購入したデータ容量も可能か?
今回扱ったものの内、通信事業者によってはその月に追加購入したデータ容量まではデータ繰り越しに対応していないところもあります。
以下の表は追加購入したデータ容量もデータ繰り越しに対応しているか・対応していないかを表したものです。
追加購入分 データ繰り越し対応表
※2024年6月29日時点
イオンモバイル、IIJmio、ワイモバイルでは追加購入したデータ容量を翌月に繰り越すことはできませんので、追加購入時には「本当に今月使い切れるかどうか?」考えるようにしましょう。
データ繰り越しできない格安SIM
「格安SIM」と名がつくものでもデータ繰り越し機能に対応していないものもあります。
以下の表に記載がある格安SIMはデータ繰り越し非対応です。
基本料金 | 基本データ容量 | |
---|---|---|
日本通信 (ドコモ回線) | 290円〜 | 1GB〜 |
HISモバイル (ドコモ回線) | 290円〜 | 500MB未満〜 |
LINEMO※1 (ソフトバンク回線) | 990円〜 | 3GB〜 |
楽天モバイル (楽天モバイル・au回線) | 1,078円〜 | 3GB〜 |
irumo (ドコモ回線) | 2,167円〜 | 3GB〜 |
ahamo (ドコモ回線) | 2,970円〜 | 20GB |
※料金は税込
※1 LINEMOは2024年7月下旬サービス開始予定のLINEMOベストプラン
まとめると、
ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル(のメインプラン)、オンライン専用プラン
→データ繰り越し非対応
格安SIMの一部、日本通信、HISモバイルなど
→データ繰り越し非対応
ということが言えます。
基本料金が格安SIM業界で最安級と言われる日本通信、HISモバイルがデータ繰り越しに対応していないのは残念であると言わざるをえません。
ワイモバイル・UQモバイルの場合
ワイモバイル、UQモバイルは大手通信キャリアであるソフトバンク、auのサブブランドですが、携帯電話業界では格安SIMに位置付けられており、データ繰り越し機能にも対応しています。
ただし、ワイモバイル、UQモバイル共に「データ増量」という概念がある点、プラン変更時のデータ繰り越しで繰り越せるデータ容量の違いがある点から、少し注意が必要です。
まずは、「データ増量」について解説していきましょう。
- ワイモバイル「データ増量オプション」
- UQモバイル「増量オプションⅡ」
ワイモバイルの「データ増量オプション」、UQモバイルの「増量オプションⅡ」の月額料金は共に550円(税込)。
このオプションをつけると規定の容量分だけデータ量が増量されます。
ワイモバイル
(2,365円) | シンプル2 S(4,015円) シンプル2 M | (5,115円) シンプル2 L | |
---|---|---|---|
基本データ容量 | 4GB | 20GB | 30GB |
データ増量オプション (550円) | +2GB | +5GB | +5GB |
合計 | 6GB | 25GB | 35GB |
※料金は税込
UQモバイル
(2,365円) ミニミニプラン | (2,277円 or 3,465円) トクトクプラン | (3,278円) | コミコミプラン|
---|---|---|---|
基本データ容量 | 4GB | ~1GB 1GB超〜15GB | 20GB |
増量オプションⅡ (550円) | +2GB | +5GB | +5GB |
合計 | 4GB | 20GB | 25GB |
※料金は税込
「データ容量を追加購入」と混同しやすいかもしれませんが、「データ増量」は「予めオプションとして申し込んでおく」もの。
一方「データ容量を追加購入」は「データ容量が足りなくなったらその都度購入していくもの」、といった違いがあります。
ここでみなさん気になるのが、
- データ増量分も繰り越しできるのか?
- データ増量分が消費される順番は?
といったことでしょう。
結論、データ増量分もワイモバイル・UQモバイル共に余った場合は翌月まで繰り越すことが可能です。
そして、データ増量分が消費される順番は、
となっており、規定データ容量と同じ扱いとなっています。
プラン変更時のデータ繰り越しで繰り越せるデータ容量の違い
プラン変更した時、繰り越しできるデータ容量の上限は「プラン変更前」「プラン変更後」どちらのデータ容量(の残量分)なのでしょうか?
例えばデータ容量が余った状態で20GBのプランから4GBのプランに変更した場合、データ繰り越しできるデータ容量は、20GB・4GBどちらの容量までか?ということです。
こちらに関しては、ワイモバイル・UQモバイルで仕様が異なっています。
ワイモバイル
データ繰り越しできるのは「プラン変更後」の規定データ容量まで(データ増量オプションに加入している場合はその分プラスされる)
(例)シンプル2 M→シンプル2 S
プラン変更前 | プラン変更後 | |
---|---|---|
規定データ容量 | 20GB | 4GB |
使用したデータ量 | 10GB | |
余ったデータ容量 | 10GB | |
データ繰り越し | 4GB |
10GBのデータ容量が余っていたとしても、データ繰り越しできるのは4GBまで。(データ増量オプションに加入している場合は6GBまで)
このようにワイモバイルの場合「データ容量が大きいプラン」から「データ容量が小さいプラン」に変更すると、本来データ繰り越しができたであろうデータ容量が繰り越せなくなることもあるので、注意しましょう。
UQモバイル
データ繰り越しできるのは「プラン変更前後でデータ容量が大きい方」のデータ容量
(例)コミコミプラン→ミニミニプラン
プラン変更前 | プラン変更後 | |
---|---|---|
規定データ容量 | 20GB | 4GB |
使用したデータ量 | 10GB | |
余ったデータ容量 | 10GB | |
データ繰り越し | 10GB |
一方、UQモバイルの場合は「データ容量が大きいプラン」から「データ容量が小さいプラン」に変更すると、「データ容量が大きいプラン」のデータ容量分(残量分)までデータ繰り越しできます。ただし、ワイモバイルと違い増量オプションⅡをつけていたとしてもその分は加味されないので注意しましょう。
余ったデータ容量も無駄なく使おう!
以上、本記事では格安SIMのデータ繰り越し機能について解説してきました。
日本通信やHISモバイル以外であれば大抵の格安SIMはデータ繰り越しに対応しています。
ただし、大手通信キャリアが絡んでくるプランにおいては、格安SIMと言えどもデータ繰り越しに対応していないところもあります。
日頃からデータ容量が余る方は、この記事を読んで頂いた情報をもとに最適なプラン選びをして頂ければ幸いです。