近年日本でも急速に普及が進んだキャッシュレス決済。クレジットカード・Suicaなどの電子マネー・バーコードやQRコードを使用したコード決済など、その手段は様々。いざ使ってみようと思っても、種類が多くて迷ってしまいますよね。
今回はキャッシュレス決済の基礎知識と、人気のコード決済アプリ7社についてポイントを絞って比較していきます。

キャッシュレス決済の基礎知識
キャッシュレス決済の種類
キャッシュレス決済には3つの支払い方法があり、次のように分類されています。
①前払い(プリペイド)
事前に現金をチャージして、その残高から支払いをする方式。使いすぎを防止することができる。

②即時払い(リアルタイムペイ)
支払いと同時に銀行口座から利用金額が引き落とされる方式。残高の範囲内で利用するので、使いすぎを防止することができる。

③後払い(ポストペイ)
利用金額をまとめて後日指定の日に支払う方式。決済時に口座の残高が無くても支払うことができる。

バーコード・QRコード支払いとは?
今回はキャッシュレス決済の中でもバーコード・QRコード支払い、いわゆる「コード決済」と呼ばれるものについて取り上げていきます。コード決済はその字の通りスマホでコードを使用して支払いを行うものです。「〇〇Pay」などと呼ばれる決済アプリに事前にチャージをしたり、銀行口座やクレジットカードを登録することで、前項で挙げた3つの支払いパターンの中から選んで決済をすることができます。
コード決済の使用方法には
- お店側が掲示しているコードを自分のスマホで読み込む「ユーザースキャン方式」
- 自分のスマホ画面にコードを表示させ、お店側が読み込む「ストアスキャン方式」
の2種類があります。以下の図のようなイメージです。
「ユーザースキャン方式」
自分でコード読み取り後、金額を入力

「ストアスキャン方式」
店側にコードを提示して読み取り

コード決済アプリを使うメリット

現金払いやその他のキャッシュレス決済と比較して、コード決済アプリを使用することにはいくつものメリットがあります。ここでは7つに分けてご紹介します。
①決済がスムーズ
キャッシュレス決済の中でもコード決済は、お財布を出す必要が無いので、アプリの画面を開く数秒あれば支払いができます。現金を渡したり受け取ったり、クレジットカードのように暗証番号を入力する必要もないので、スマホ1台あれば買い物が可能です。
②ポイント還元がある
最大のメリットはなんと言っても決済サービスごとに用意されているポイント還元です。支払った金額に応じてポイントが還元され、貯まったポイントをそのまま次の支払いに充てることができます。
③キャンペーンが頻繁に行われる
利用回数・利用額に応じて還元率がアップしたり、特定の店舗で支払いをすると還元率がアップするなど、様々なキャンペーンが頻繁に行われています。それらを上手く活用すると更にお得になります。
④クレジットカードとポイント2重取りができる
アプリの支払い方法にクレジットカードを設定すると更にお得になります。コード決済でアプリに貯まるポイントと、カード会社が用意している利用額に応じて貯まるポイントの2重取りができるのです。普段クレジットカードで買い物をしている方は、コード決済アプリを経由するだけで更にお得になるということです。
各社が用意している特定のクレジットカードだと、更に還元率がアップする場合もあります。
⑤お金の管理が簡単になる
決済の履歴がアプリに残るので、どこでいくら使ったのかを簡単に確認することができます。現金の場合はレシートを保存し家計簿をつけるなどの記録が必要ですが、それらの手間を無くすことができます。
⑥不正利用された時の補償制度がある
決済サービス毎に内容の差はありますが、不正利用に対して全額補償を設けている会社もあります。そもそもスマホを紛失しても、暗証番号等が設定されていれば不正利用のリスクもかなり低くなりますし、クレジットカード番号や暗証番号を盗み見されてしまう可能性もありません。クレジットカードで支払いをしたり、財布(現金)を落としてしまった時よりも被害が少なくなると考えられます。
⑦マイナポイント制度が利用できる
マイナンバーカードとキャッシュレス決済を普及させることを目的にしたマイナポイント事業。2022年1月1日からは第2弾が始まり、最大20,000円分のポイントをゲットすることができます。マイナンバーカードを持っていてキャッシュレス決済デビューしていない方は今が始め時です!
コード決済アプリおすすめ7社の比較
ポイントの種類と還元率で比較
まずはじめに、決済サービスに応じて貯まるポイントを比較してみました。
サービス名 | 貯まるポイント | 基本還元率 | クレジットカード特典 |
---|---|---|---|
PayPay | PayPayポイント | 0.5~1.5% ※月の決済回数・決済金額 等の条件で変動 | PayPayカード決済で +1.0% |
LINE Pay | LINEポイント | – | Visa LINE Payカードからチャージ&ペイで 0.5% |
楽天ペイ | Edy | 1.0% | 楽天カードからチャージで +0.5% |
auPAY | Pontaポイント | 0.5% | auPAYカードからチャージで +1.0% |
d払い | dポイント | 0.5%(実店舗) 1.0%(ネット) | – |
メルペイ | – | – | – |
FamiPay (ファミペイ) | FamiPayボーナス | 0.5% | ファミマTカードからチャージで +0.5% |
条件が達成できない場合で比較すると、基本還元率が1番高いのは「楽天ペイ」と「d払い」(ネット使用)の1.0%で、条件を全て達成した場合の還元率が1番高いのは「PayPay」の2.5%という結果になりました。メルペイはコード支払いによる還元はありません。
ポイントの使い道で比較
次に、貯まったポイントの使い道を比較していきます。
ポイントの還元率についつい目が行きがちですが、使える加盟店や使用用途が少なければ、上手く活用することはできません。実際に貯まったポイントがどのように使用できるのかをチェックしていきましょう。
サービス名 | ポイント名 | 加盟店数 | 独自の使い道 |
---|---|---|---|
PayPay | PayPayポイント | 約355万か所 | ・請求書払い ・ソフトバンク/ワイモバイル料金の支払い ・ポイント運用 ・ふるさと納税の寄付 |
LINE Pay | LINEポイント | 約330か所 (PayPay加盟店で使用可) ※1部支払えない店舗あり | ・請求書払い ・LINEモバイル料金の支払い ・LINEが提供するサービスでの支払い ・PayPayポイントに交換 ・LINE証券への入金 |
楽天ペイ | Edy | 約90万か所 | – ※楽天ポイントの使い道は除く |
auPAY | Pontaポイント | 約235万か所 | ・請求書払い ・au料金の支払い ・au PAY残高にチャージ ・au PAYマーケットでの買い物 ・auかんたん決済 ・ふるさと納税の寄付 |
d払い | dポイント | 約268万か所 | ・請求書払い ・ドコモ料金の支払い ・ドコモのデータ量を追加 ・ポイント運用 ・d POINT CLUBで商品と交換 ・ふるさと納税の寄付 |
メルペイ | メルカリポイント | 約170万か所 | ・メルカリでの支払い ・Suicaへのチャージ(iPhoneのみ) ・メルペイスマート払い |
FamiPay (ファミペイ) | FamiPayボーナス | 約15万か所 | ・請求書払い ・Kaema(カエマ)での支払い |
加盟店数が1番多いのは「PayPay」、次いで一部PayPayの加盟店でも使用が可能になった「LINE Pay」という結果になりました。数だけでなく、普段自分がよく行くお店で利用できるのかどうかも重要なポイントですので、事前に確認することをオススメします。
保障制度で比較
現在コード決済アプリでは、2段階認証や機密情報の暗号化などにより高いセキュリティを持っているため、不正利用や情報漏洩などのリスクは非常に低くなっています。とは言え毎日使うものとなれば、万が一に備えた補償がどうなっているのか気になりますよね。
サービス名 | 保証金額 |
---|---|
PayPay | 全額保証 |
LINE Pay | 上限10万円まで |
楽天ペイ | 全額保証 |
auPAY | 全額保証 |
d払い | 全額保証 |
メルペイ | 全額保証 |
FamiPay(ファミペイ) | 上限10万円まで |
「LINE Pay」と「FamiPay」以外は全額保証を行っているようです。発覚後の申告期間や警察への届け出の要否は各社異なりますので、トラブルがあった後の対応には注意が必要です。
おすすめの人で比較
最後に、ポイントの使い道やサービスの特徴から、どのような人におすすめなのか
- 使っている携帯キャリア
- 今まで貯めてきたポイント
- よく使うサービス・店舗
の3つのポイントを考慮し比較してみました。
サービス名 | おすすめの人 |
---|---|
PayPay | ・街中のお店で買い物することが多い人 ・ソフトバンク・ワイモバイルユーザー ・Yahoo!ショッピングを使っている人 ・PayPayカード(ヤフーカード)ユーザー ・ふるさと納税をする人 |
LINE Pay | ・街中のお店で買い物することが多い人 ・LINEモバイルユーザー ・LINEが提供しているサービスをよく使う人 |
楽天ペイ | ・楽天ポイントを今まで貯めてきた人 (Edyに交換して使用可能) ・楽天カードユーザー ・ラクマをよく使っている人 |
auPAY | ・auユーザー ・Pontaポイントを今まで貯めてきた人 ・ふるさと納税をする人 |
d払い | ・docomoユーザー ・dポイントを今まで貯めてきた人 ・ふるさと納税をする人 |
メルペイ | ・メルカリをよく使っている人 |
FamiPay (ファミペイ) | ・FamilyMartでよく買い物をする人 |
まとめ

今回はキャッシュレス決済の基礎知識と、人気のコード決済アプリ7社の比較をしてみました。実際に店舗でも「難しそう」「何となく不安」「選び方がわからない」というお客様がいらっしゃいますが、キャッシュレス決済はとても簡単で万が一に備えた保障もあり安心して使っていただけます。この記事を通してそのような不安が少しでも払拭できれば幸いです。
ここで紹介したもの以外にも期間限定のキャンペーンなどを活用すれば更に高い還元を受けることができるので、興味を持った方はぜひ各社のホームページから確認してみて下さい♪


