フリーランスの方。
新たに起業しようとしている方。
こういった方々の中には信用度を高めてビジネスを行うために「固定電話番号が必要」と考えている方もいるでしょう。
そんな時、強い味方となるのはスマホで固定電話番号を使うことができるサービスです。
本記事では月額1,078円(税込)から利用できる
「03 Plus」について解説していきます。
03plusの料金・通話料・かけ放題
03plusは株式会社グラントンによって提供されており、アプリを使ってスマホで固定電話番号を習得・利用できるサービスです。
スマホで使う分には何か設備を導入したり、工事が必要だったり、ということはありません。
契約後にやることは専用アプリをスマホにインストールし、アプリにログインする。
たったこれだけです。
手続き自体もWebで完結するため、書類発送も必要なく数日程度で利用することもできます。
料金は月額1,078円(税込)から
03plusの基本料金は月額1,078円(税込)です。
通話をする際は03plusのアプリからの利用になり、通話料は30秒あたり22円(税込)。
なお、1カ月の通話料には上限が設定されており、11,000円(税込)を超えた場合は利用ができなくなる場合もあります。
通話が多いようであれば、月額1,100円(税込)の「10分かけ放題」をつけても良いでしょう。
※10分かけ放題の注意点
- ナビダイヤル(0570など)は30秒あたり22円(税込)。
- 1カ月に1日平均30回程度以上の発信をすると通話料が請求される可能性がある。
03plusは「年払い」も選ぶこともできる
03plusの基本料金は「年払い」を選ぶこともできます。
年払いの料金は12,936円(税込)と1,078円(税込)を12回支払った料金と変わりませんが、
- 10分かけ放題が6カ月分無料
- 初期費用が1,320円(税込)割引
(初期費用に関しては後述)
といった特典が用意されています。
03plusのメリット・導入事例
ここで、03plusの公式ホームページに紹介されている個人事業主、スタートアップ企業、店舗を運営している方々から拾った「03plusにして良かった」という声を一部ご紹介します。
(コンサルティング業、社労士事務所、アパレル、FP業、ドラックストア・飲食業、ソフトウェア開発・販売、人材ビジネス業など)
- どこにいても代表番号宛にかかってきた電話に出られる。
- 外出中の折り返しの際も事務所の固定電話番号から発信できるので、相手の方も出てくれやすくなった。
- 毎月支払う料金は980円(税抜き)+通話料だけ。
- やはり固定電話番号は携帯電話番号より信頼度が高い。
- 電話代行サービスが不要になった。
- 事務所移転の際も固定電話番号は変えずに移転できた。
- 工事不要。電話機の購入も不要。
- コワーキングスペースでも固定電話番号が持てるようになった。
※フリーデスクプランなどでは契約不可 - 申し込んで2日後くらいにはハガキが届いて開通。
- 申込みはWebで完結。書類の郵送も不要。
事業の関係で今まで固定電話番号を持とうと思っても物理的、コスト的に困難であった方が03plusを利用しているようです。
03plusの初期費用・保証金
03plusの初期費用には番号取得のための5,500円(税込)がかかります。
また、毎月の支払いをクレジットカード決済以外での決済(口座振替、銀行振込)の場合、契約時に別途5,500円(税込)を保証金として預ける必要がでてきます(さらに銀行振込の場合、毎月220円(税込)の振込決済事務手数料が発生)。
なお、03plusを申し込む際はSMSを受信できる携帯電話番号が必要になります。
データ専用SIMの携帯電話番号だけでは、申込みすることができません。これはMyページなどのパスワード変更の際にSMS受信ができる回線が必要なためです。
ここまでは03plusの料金や初期費用について「1つの電話番号を1台のスマホで使う」という前提で解説してきました。
ですが、「03plusで取得した固定電話番号を他の社員が持っているスマホでも利用させたい」といったケースも出てくるでしょう。
そんな時に必要となってくるのが次に解説する「ID」です。
複数で利用する場合は「ID」を契約
03plusを契約し、取得した固定電話番号をスマホで利用するためにはアプリへのログインが必要です。このアプリへのログインをするために必要なのが「ID」です。アカウントだと思って頂いて差し支えありません。
03plusを契約すると1つ目のIDである「基本ID」が付与されますが、基本IDで03plusのアプリにログインできる端末は1台だけです。
つまり、基本ID一つを持っただけでは他の端末ではアプリにログインすることができず、固定電話番号を使うことができません。
1つの固定電話番号を別の端末で使うためにはIDを追加する必要があり、このIDを「追加ID」といいます。
追加IDは使う端末の台数を1台増やすごとに必要になってきます。
追加IDにかかる費用としては、初期費用が5,500円(税込)。
そして月額料金の770円(税込)です。
仮に1つの固定電話番号を2つの端末で使う場合は、基本ID分とは別に上記の料金がかかってくるというわけです。
複数の電話番号を持ちたい場合は?
一つの固定電話番号だけでなく、「複数の固定電話番号を複数の人間で使いたい」といった場合はどうなるか?
その場合は1固定電話番号あたり月額220円(税込)の「追加番号オプション」を申し込めば別の固定電話番号を追加で取得することができます。
追加できる固定電話番号は最大2番号まで。
つまり、基本IDは合計3つの固定電話番号を取得することができるというわけです。
発行された固定電話番号は契約ID分全ての端末で利用することができます。
もちろん、端末ごとに鳴り分け設定も可能です。
ただし、追加番号オプションを申し込む場合は必ず固定電話番号数と同数のID契約が必要になってきます。
(例) 固定電話番号を合計3つ利用する場合、IDは3つ必要。
基本ID+追加ID+追加ID
03plusの市外局番
「『03plus』とあるので、固定電話番号が取得できる市外局番は東京23区だけ?」
そう思う方も多いかもしれませんが、03plusが対応している市外局番は東京03だけではありません。
大阪06、横浜045などにも対応しています。
ただし、2024年1月時点ではまだまだ全国主要都市の市外局番しか対応できていないと言わざるをえません。
試しに筆者の出身地である長野県の市外局番を「中部エリア」から調べようとしましたが、中部エリアで市外局番の固定電話番号が持てる県は愛知県だけ。それも名古屋052、刈谷0566など一部の地域だけでした。
ただし、各地域の市外局番に対応していない地域で事業をされている方でも、地域に紐づいた市外局番に比べると信用度が下がるかもしれませんが「050」の固定電話番号であれば持つことが可能です。
「050?ってことは03plusはIP電話?」
そう思った方、正解です。
そう、03plusはIP電話アプリになります。
東京23区内に拠点がなくても03番号が持てる!
通常03市外局番の固定電話番号を持つには東京23区内に現住所がないと利用することができません。
しかし、「サービス付きシェアオフィスオプション」を申し込むとそれも可能になってきます。
読んで字の如く、このオプションを申し込めば03市外局番の固定電話番号が持てるだけでなく、東京都渋谷区の住所を拠点住所として登録されたシェアオフィスが提供されます(拠点オフィスプラン)。
シェアオフィスの利用はあくまでもユーザーごとに指定された時間帯のみに限りますが(時間帯専有型共有デスク)、一般的なシェアオフィスで提供されているサービスも利用可能です。
サービス概要(拠点オフィスプラン)
初期費用 | 5,500円 |
月額料金 | 5,280円 |
郵便物受取 | |
郵便物保管 | 最大30日 |
郵便物転送 | スポット転送(有料) |
住所利用 | |
登記利用 | |
社名掲示 | |
会議室 | 1,100円/1時間 |
その他設備 | Wi-Fi、電源コンセント、 プリンター、シュレッダー、 冷蔵庫、電子レンジ |
※料金は税込
03plus公式HP サービス付きシェアオフィス
03plusの仕組み・音質(IP電話)
03plusはインターネット網を利用したIP電話アプリです。
4G、5G、Wi-Fiなどのネットワークを利用して通信(通話)がされるため、ネットワークの混雑状況によっては通話が途切れるなどの品質に影響があると03plusの重要事項説明にも書かれています。
IP電話の通話品質に関して気になる方は、後述する無料で使える「03plus0円スタートプラン」で使用感を試してから契約されることをおすすめします。
03plusが使えない条件・環境・端末
03plusはインターネットが使える環境であれば、必ず使えるというわけではありません。
03plusの「インターネット環境・ご利用可能端末について」では、以下の様なインターネット環境では03plusを利用することができないことが確認できます。
- SoftBank Air(ソフトバンクAir)
- nuroモバイル Home Wi-Fi
- UCOM光レジデンスのIPoE環境下
(03plusの宅内機器、IP電話機) - インターネット接続環境がV6プラス(MAP-E)、IPv6(クロスパス)
上記以外でも、VPN接続用のアプリをスマホにインストールしていると、03plusを利用できないこともあったり、モバイルWi-Fiルーターの種類によってはスリープ時に省電力モードによって通信が切れると03plusアプリで正常に着信ができなかったり、といった注意点もあります。
03plus対象外端末の例 「Androidは要注意」
03plus対象端末は、「インターネット環境・ご利用可能端末について」を確認して頂きたいのですが、Androidの機種の場合は03plusに対応していない機種がやや多いので注意が必要です。
具体的には、
- ドコモのらくらくホンシリーズ
- ソフトバンクのAndroid
- ワイモバイルのAndroid
これらの端末は03plusの対象外端末となっています。
03plusが発信できない番号
03plusでは110番/118番/119番などの緊急通報へは発信することができません。
国際電話への発信もできません。
その他の発信できない番号については以下のリンクからご確認ください。
03plusのデメリット
「03plus公式ホームページの導入事例」で挙げられているデメリット(不満)に、着信履歴の反映に時間がかかるというものがあります。
03plusの着信履歴はインターネット回線を通じて03plusサーバーから一旦、履歴情報が取得され、その後スマホの画面に着信履歴が表示されます。着信履歴がスマホの画面上に反映されるまでの時間は10秒〜30秒程度。
このタイムラグがあるため、折り返しの電話をする際は少し時間がかかってしまうようです。あとは、アプリの仕様上のためか動作が不安定になる症状を改善要望として挙げられている方もいます。
上記以外にも、「全国の市外局番に対応しているわけではない」「ドコモのらくらくホン、ソフトバンク・ワイモバイルから発売されたAndroidには対応していない」といった点も、03plusのデメリットと言えそうです。
03plusのフリーダイヤル
着信時の通話料が03plus契約者負担となる着信課金サービス(NTTコミュニケーションズのフリーダイヤルにあたるサービス)も利用可能です。提供されている番号は0120と0800です。
初期費用 | 2,200円 |
---|---|
月額料金 | 2,475円 |
着信時通話料 | 固定電話7円/60秒 携帯電話/PHS22円/60秒 公衆電話33円/60秒 |
電話帳掲載 | 0円 |
※料金は税込
着信課金サービスについての注意点は以下の通りです。
- 利用可能エリアは市外局番提供エリアのみ(050エリアは利用不可)
- 着信専用
- 0120は使い回されていることが多い
- 利用には複数のIDが必要
03plusのFAX
FAX機能はオプションとしてインターネット回線を利用したクラウドFAX機能も提供されています。
スマホ一つで、そしてどこにいてもFAXを送受信したり、スマホでFAXデータを確認することが可能です。
料金 | 550円/ 月 (1IDあたり) |
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受信料金 | 無料 |
送信料金 | 22円/30秒 |
その他 | 使い放題500オプション(月額1,100円(税込))を 申し込むと月500枚まで、送信料金が無料。 |
※料金は税込
03plusの契約期間
03plusには契約期間の縛りがないため、いつ解約しても解約金(契約解除料)は発生しません。
ただし年払い契約を選択した場合、途中月で解約しても残りの月数分の料金の返金はされません。
なお、実際に解約が成立するのは「解約申請の手続きをしてから2カ月後のサービス締め日である25日」となります。つまり、解約成立日までの間の基本料金は発生するということになります。
03plusの0円スタートプランとは?
良いサービスだけど、通話品質などの懸念が拭えない。
そう思った方は03plusの0円スタートプランから試してみてはいかがでしょうか?
0円スタートプランは、申し込みから翌月の25日までの間(最大31日間)、
- 初期費用
- 基本料金
- 通話料
この3つが全て無料になるプランです。
通常のプランと違い、
- 1通話は3分まで
- 期間内の発信回数上限は50回まで
- オプション利用不可
- 0570、104への発信不可
といった制限はありますが、お試しで03plusを利用するにはうってつけのプランです。
公式ホームページでもまずは03plus0円スタートプランでの利用を推奨しているぐらいですから。
注意点としては、
- 毎月21日〜25日までは申込み不可
- 無料期間終了までに解約手続きをしないと申込み時に選択したプランで自動契約され、料金が発生
といった点が挙げられます。
その他オプション
最後に03plusが提供しているオプションサービス(の一部)の月額料金を簡単にまとめます。
10分かけ放題 | 1,100円/月 (1IDあたり) |
---|---|
時間外アナウンス | 880円/月 (1番号あたり) |
留守番電話 | 308円/月 (1番号あたり) |
転送電話 | 550円/月 (1番号あたり) ※別途転送料金が発生 |
IVR (自動音声応答) | 3,300円/月 (1番号あたり) |
クラウドFAX | 550円/月 (1IDあたり) 受信料金:無料 送信料金:22円/30秒 使い放題500:1,100円/月 |
Web電話帳 | 308円/月 (1IDあたり) |
通話録音 | 3,300円/月 (1番号あたり) |
0120/0800 着信課金番号 | 初期費用2,200円 2,475円/月 |
サービス付きシェアオフィス (拠点オフィスプラン) | 初期費用5,500円 5,280円/月 |
※料金は税込
03plus公式HP オプション
まとめ
以上、今回はスマホで固定電話番号が使える03plusについて解説してきました。
あらためて、内容をまとめます。
料金
月額1,078円(税込)から。通話料は30秒あたり22円(税込)。
プラス1,100円(税込)で10分かけ放題がつけられる。
メリット
- どこにいても代表番号宛にかかってきた電話に出られる。
- 携帯電話番号より信頼度が高い。
- 電話代行サービスが不要になる。
- 工事不要。電話機の購入も不要。
- 事務所移転でも固定電話番号を変えずに移転ができることもある。
- コワーキングスペースでも固定電話番号が持てる。
初期費用
5,500円(税込)。毎月の支払いを銀行口座振替・銀行振込の場合、別途契約時に5,500円(税込)を保証金として預ける必要がある。
複数の端末で利用する場合
月額770円(税込)の追加IDを申し込む必要がある(初期費用は5,500円(税込))。
複数の固定電話番号を持つ場合は別途月額220円(税込)の追加番号オプションを申し込めば可能となる。
しかし、固定電話番号と同数のID契約が必要。
03plusの市外局番
現状、全国の主要都市のみ対応(東京03、大阪06、横浜045など)。
市外局番対象外のエリアは050番号が取得できるが、着信課金サービス(NTTのフリーダイヤル)が利用できないなどのデメリットがある。
サービス付き
シェアオフィスオプションとは?
03市外局番の固定電話番号が持て、東京都渋谷区を拠点住所として登録された日数・時間指定のシェアオフィスも提供される。
初期費用5,500円(税込)、月額料金5,280円(税込)。
03plusの仕組みは?
IP電話アプリ。インターネット回線を利用しているので、通話品質は通信環境に左右されることも。
03plusが使えない条件・環境・端末(一部)
SoftBank Air、nuroモバイル Home Wi-Fi。
Androidだとドコモのらくらくホンシリーズ、ソフトバンク・ワイモバイルの機種は利用不可。
03plusが発信できない番号
110番/118番/119番などの緊急通報と国際電話。
03plusのデメリット
- 着信履歴の反映に時間がかかる
- 全国の市外局番に対応していない
- Androidだと利用できない機種も存在する
03plusのフリーダイヤル
初期費用2,200円(税込)、月額料金2,475円(税込)で利用可能。
ただし、050エリアは利用不可。
03plusのFAX
月額550円(税込)(1IDあたり)。
03plusの契約期間
契約期間はないが、解約が成立するのは解約申請してから2カ月後の25日。
その間の基本料金が発生する。
03plusの0円スタートプランとは?
申込みから翌月の25日までの間
- 初期費用
- 基本料金
- 通話料
が無料になるプラン。
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